デバッグのキャリア

QA(デバッグ)に必要なコミュニケーション能力(他の職でも重要な汎用スキル)

PCを持った3人が話す画像

こんにちは、転すけ(てんすけ)です。

以前にこちらの記事で、
QA(デバッグ、テスター)としての業務で直面しやすい課題感のお話で、
コミュニケーションの話題を挙げさせていただきました。

競技場の2レーンの画像
【QA】スマホゲームのデバッグ(単調な作業からのステップアップ_課題編)QAのデバッグ作業に慣れてくると思考停止しがちです。 そんな状況を課題と感じて前に進めるかどうかがキャリアアップにおいて重要になりますので、そのあたりのお話をさせていただきました。...

今回はそのコミュニケーションにおいて必要なスキルの部分を深掘りしてお話させていただこうと思います。
また、このスキル自体はQAという働き方特有のものではなく、
様々な職種にも当てはまるスキルでもありますので、汎用的なもの
と捉えて読んでいただけますと幸いです。

・QA(デバッグ)業務におけるコミュニケーションラインの話

・情報を正確に理解する能力について(汎用スキル)

・質問力について(汎用スキル)

・伝達力について(汎用スキル)

・情報の動きや変更をキャッチアップする能力について ※常に情報を追う姿勢(汎用スキル)

・情報を整理した上でまとめておけるサマリーの能力について(汎用スキル)

QA(デバッグ)業務におけるコミュニケーションラインの話

まずスマホゲームのQAという業務において、
コミュニケーションラインが多岐に渡っているという状況があります。
(詳細は冒頭にご紹介の記事をご参照ください)

大まかに言うと、
自分のチームのみならず、広範囲に渡って様々なチームとの折衝が必要になります。

上記のような実情がありつつ、且つ、スマホゲーム開発は情報の動きや変更が早いので、
それに伴い求められるコミュニケーション能力があります。

とはいえ、

そのスキル自体はQAという働き方特有のものではなく、
様々な職種にも当てはまる汎用的なスキルでもあります

そのあたりのスキルについて以降の記載で説明していきます。

情報を正確に理解する能力(汎用スキル)

説明をする人の画像

基本中の基本ではありますが、
これができないと仕事にならないというのがあり、信用を得る事も難しくなります。

まずわからない点は必ず率直にわからない旨を伝えることが重要です。

(伝えない場合、相手は当然理解しているものと判断します。後々、実は理解できていなかったと判明すると大きく心象に影響するので、その場で聞くことが大事です)

また、情報が多くなればなるほど「言われたことを忘れてしまった」というような抜け漏れが発生しやすいので、
PCのメモアプリを使うなど、リアルタイムで常に情報をストックしていく癖をつける必要があります。

(物理的なメモより、PCでデータとして持っておいた方が他人に共有するケースなどに便利なので、PCでのメモをオススメします)

尚、言われたことやその場のやり取りをそのまま覚えておけば良いという事でもなく、
相手の意図を汲み取る」という点も含めて情報を理解する必要があります。

「なぜ」と考える点が大事で、物事は必ず何らかの意図(なぜ)があってその決定に至っているはずです。

「意図を理解した上で決定事項を知っている」
「意図は不明だが決定事項を知っている」

の2者では全く理解度が違い、後者は「うわべだけ」を知っている状態なので、
「理解している」というよりは文字通り「知っているだけ」となるので、
なぜそうなったのかを質問されても何も答えられないことになりますので本質的な理解はできていない事になります。

意図まで理解できるように必ず確認を行う事も重要です。

質問力について(汎用スキル)

クエスチョンの画像

上記までに付随した点で質問力という観点も重要です。

わからないことや困ったことなどがあった時に、
「何がわからないのか」
をしっかり考えて整理する必要があります。

初動段階でよくあることとしては、
「分からなすぎて、何が分からないのかが分からない」
という問題です。

この状態の場合、
「相手側に歩み寄ってもらって何が分からないのかを探る」という状態となり、
相手に必要以上に確認コストを取らせることになるので、注意する必要があります。

また、

・自分も相手も分かっているはずのことだが再確認
・些細な気づきの確認

という点も重要で、

「言わずもがな」というレベルのことであっても、
実際に擦り合わせてみたら認識が違ったというのはよくある話です。

「こちらはこう思っていたが、あちらはそうではなかった」というような点が起きないように、
些細な点であっても質問をして互いの齟齬を埋めることは重要です。

質問は「分からないことを聞く」という意味合いだけではなく、
「分かっているけど聞く」というのも大事
になりますし、
それによって周りが理解度を深めるケースもありますので、
質問は自分だけではなく周りへの良い影響もあるという考え方ですることが大事です。

会議等で往々にしてあるのが、
「何か質問はありますか?」というような場合に遠慮してしまうケースですが、
質問は自分へのリターンだけが目的ではないという考え方であれば質問のしやすさは変わると思います。

(自分が理解できていない時、他の人がその件を質問してくれると ”助かった” となることは往々にしてありますよね。そういう効果があると共に、実はチーム全体にうまく伝わっていなかったのでは?というような理解度の擦り合わせもできるので、質問に損はありません)

伝達力について(汎用スキル)

発言する女性の画像

上記の質問力にも関わりますが、
質問のみならず「誰かに何かを伝える時に齟齬なく&過不足なく伝える」という点の重要性になります。

自分の中でまとまっているつもりでも、いざ伝えようとする時に何かうまく伝わらないというケースはあると思います。

よくある「この人は何を言いたいのかな?」となるケースは、
トピック(何についての話か)や結論を先に言わないというケースです。

トピックや結論を先に言ってから、その点について説明する場合、
聞き手は話の概要や終着点が分かっている上で説明を聞く事になるのでとても理解しやすくなります。

一方で、
その点を後回しにする場合、概要も終着点もわからないので、
「これ何の話をしているのだっけ?」
「結局何を言いたいのだろう」
というのを聞き手は考えながら聞くことを強いられます。

結果、最後の最後まで話を聞き終わらないと理解できない状態となります。
(最悪の場合、結局理解してもらえないケースもあります)

話がものすごく上手な方は、
あえて逆に後者の話し方をして内容の先バレを防ぐテクニックを使い後半に盛り上げていくというようなケースもありますが、
基本的には前者の話し方が汎用性があっておすすめです。

上記を加味した上で、
諸々の説明については5W1Hが基本となります。

この点が網羅できてれば伝わらないことはないと思いますが、
特に「Why(なぜ)」や「How(どのように)」はハッキリと伝えるように意識する必要があります。

何かを人に伝える時、
よっぽどどうでもいい雑談でない限りビジネスシーンにおいては「Why(なぜ)」があるはずで、
Whyを補うために必要に応じて「How(どのように)」も必要になってくるはずです。

Why&How以外の部分を説明する事によって本当に伝えたい強調ポイントが弱くなってしまうようなら、
1W1H(WhyとHowのみ)としてそれ以外は省略するか補足程度にする形でも良いと思います。

上記の例では、
冒頭で概要や結論を伝えた上で
「何でそう思ったのか、今までどのようにしてきたのか。これからどうしたいのか」
のようにWhyやHowが中心の構成になっているので、比較的意図が伝わりやすい内容になっていると思います。

このような伝え方をテンプレートとして持っておいて、
いざ伝達の場面などではそこに当てはめる形にすると比較的楽に伝えることができると思います。

情報の動きや変更をキャッチアップする能力について ※常に情報を追う姿勢(汎用スキル)

slackを見る人の画像

情報が錯綜する場面や変化やアップデートが著しい企業において、
情報をキャッチアップ(追う)姿勢はとても大事になります。

もちろんミーティング等による情報共有の場はあるにせよ、
「情報はそういう場で共有してもらうものだ」という受け身の姿勢でいる場合、
「言われてないから知らなかった」
「知らなかった上に仕事の進め方に影響する重要事項だったのでとても困った」
のように情報の取得が遅れたりリスクを被ることもしばしば起き得ると共に、
活躍の場を広げるチャンスを自ら潰しているとも言えると思います。

情報を自分から積極的に取りに行けない人はやはり信用値として高いものは得られにくい傾向にあります。

そういう人の傾向としてよく見られるのが、

・自分の仕事だけに集中している人(他の事に邪魔をされたくない)

・基本的に自分の仕事以外は他人事で関わらなくて良いと思っている

という点です。

よほど個人で圧倒的な成果を出せるような人員でもない限りは信用を勝ち得るのは難しいと思います。
(ここでいう圧倒的な成果は、そういうスタンスであっても置いておきたい人員という事になるので、ごく一握りと言えると思います)

少し話は逸れますがこういうスタンスの場合、
逆に自分が困った時などに周りに助けてもらいづらいなどの可能性もあるので、
損なスタンスだと思います。

情報には常にアンテナを張って置いて、最新の情報を持っておくというのは、
自分を守る事や仕事の成果向上に繋がる=引いてはチームの生産性向上にも繋がるので、
評価にも繋がりやすいポイント
となりますのでキャッチアップの意識は高く持つことが重要です。

(どんな職場でも全体を見れている人やキャッチアップ能力が高い人は重宝されていると思います)

情報を整理した上でまとめておけるサマリーの能力について(汎用スキル)

資料を作る画像

取得した情報は整理してサマリー(まとめ)として残しておくことがとても重要です。

よくある話が、
取得した情報を一旦メモに書き殴って置いておいたが、
後日見返したらよく内容がわからずメモの意味を成していなかった、というようなケースです。

サマリーは「ミーティング単位」や「何かの決定事項」など、
事あるたびにまとめて個別に残しておくことが重要です。

ミーティングを例にすると、
ミーティング中は議事のような形である程度雑多にメモを取り、
ミーティング後にサマリを作って残すイメージが望ましいと思います。
ミーティング(情報を取得したタイミング)から時間が経てば経つほど、情報の鮮度は失われていきますので、
まだ頭にある程度残っているうちに早い段階でまとめることをオススメします。

ではどんなサマリーを残すのかについてですが以下のような点が主なポイントになります。

まず「他人に見せても正確に理解してもらえるもの」という考え方で作ることが大事です。

(自分が理解できれば良いという考えのものは、ハードルや意識が下がるので精度がグッと落ちる傾向にあります)

というのも、正確で見やすいサマリは重宝されるので、
周りに共有を求められることもしばしばあります。
いつ依頼されてもいいように、あらかじめそのつもりで作成するということが重要です。

先ほどの情報のキャッチアップの話と同様ですが、
「誰かがまとめて展開してくれるだろう」という受け身な考えは危険を伴うので、
主体的に動けるようなマインドが大事です。

また、決定事項については、漏れなく書くというのは基本であり必須です。
その上で、その決定に至った理由も書いておくというのがとても重要
で、
その説明の場にいなかった人が見た時に、
「何でそういう決定になったの?」という点が伝わらないというのと、
後から自分で見返した場合にも同様に「何でそうなったんだっけ」となる可能性が高いためです。

決定事項と理由はセットで書くことを意識しましょう。

また、重要性や緊急性が低い細かい事項についても補足事項として書き留めておくことで役に立つこともあります。

「前回のミーティングで、雑談レベルだったけど〇〇の件話したよね?あの件なんだけど・・・」
のような、重要ではない事項も先々に繋がっていたりするので、気になることは書き留めておくことをオススメします。

全体通してですが、
他の人が見て理解できるという前提があるので、
不足がないことはもちろんのこと、過剰に書きすぎるのもかえって理解の妨げになるマイナスポイントなので、注意が必要です。

上記のような点に注意しつつサマリーを作成していく事になりますが、
サマリは単に雑多なメモをまとめて清書するという意味合い以外にも、
自分の考えを整理する事や気づきを得るという効果もあります。

サマリを作っているとよくあるのが・・・

「この件、理解してたつもりだけどちゃんと理解できてなかったからまとめられない。もう一度聞いてみよう」

「あれ?この件、意図は聞いたけどよくよく考えると矛盾があっておかしい」

「この決定や説明、よくよく考えると間違っている気がする」

「Aの件とBの件をまとめていたら、Cの件が関係している事に気付いたがその件がチームから忘れられている気がする」

というように、全体を俯瞰してまとめることで違和感や疑問に気づけることも頻繁にあります。

自分の中の整理をすると共に周りの課題も見えたりするのでサマリを作成することで得られるものは大きいと思います。

このサマリをもとにコミュニケーションを取ると話がスムーズなのでその点でも重宝されますね。

いかがでしたでしょうか。

今回はQAにおける、引いてはビジネスにおけるコミュニケーションの部分についてお話しさせていただきました。

コミュニケーションは最重要スキルであるという認識のもと、
日々良好な人間関係を築きつつ、ステップアップの糧としていきたいですね。

また、こちらの記事ではリモートワークにフォーカスしたコミュニケーションについてのお話をしていますので、
こちらについても参考にしていただけますと幸いです。

リモートでzoomをしている画像
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尚、ステップアップにあたり、自身の市場価値を確かめる為や今後高めていくためにエージェントを利用するという方法があります。
こちらの記事では筆者の実体験を元にした内容を記載していますので参考にしていただけますと幸いです。

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