こんにちは、転すけ(てんすけ)です。
本日はQA(デバッグ/テスター)の業務からのステップアップというテーマのお話しをさせていただきます。
先日こちらの記事でIT業界のスタートラインに立つ方法としてスマホゲームの「QA」という仕事を提案させていただきました。
今回はそのあたりを少し掘り下げていこうと思います。
- 職の待遇面(月収)
- QAの基本業務
- ステップアップ先
職の待遇面(月収)
まず何よりも収入の部分が重要だと思いますので、
おおよその一般的な額面や私の経験をもとに、キャリアプラン毎のステップで区切って待遇面を記載します。
(ステップ①は待遇が低いですが、未経験での入社がモデルであるというのとあくまで通過点なのでそこにフォーカスせずに、1年後への投資という観点で参考にしていただけると良いと思います)
<ステップ① ※入社半年 – 1年を想定>
役割:QA(デバッグ、テスター)
月収:15 – 20万程度
雇用形態:アルバイト / 業務委託 / 契約社員
(20万には満たないことが主。ただし契約社員としての登用の場合は20万超の可能性あり)
<ステップ② ※入社1 – 2年を想定>
役割:コンバート先の職種
月収:25 – 35万程度
雇用形態:業務委託 / 契約社員 / 正社員
(この段階になるとアルバイト契約のまま継続することはほぼありません)
<ステップ③上記以降>
以降は、
ステップ②の職種の技能を高めて行く or 今ある技能で他社に移籍 or フリーランスになるなど、
各々がどう進むかによって変わりますが、
30 – 40万程度に一旦は落ち着くと思います。
(いずれも自身の技術の向上等により随時単価を上げて行くことが可能です)
<例外編>
QAマネージャー:40 – 60万程度(実績によってはそれ以上)
コンバートに話がフォーカスしていましたが、そのままQAを突き詰めるというキャリアもなくはありません。
ただしその場合は単にテストをする人員を続けるという事ではなく、
「テスト要件定義」「チームリーディング」というあたりを担うマネージャーになる必要があります。
このポジションの場合、単価はやや高い傾向にあります。
QAとして稼ぐことも十分に可能なので、他の職種へのコンバートよりもQAの方が向いていると感じた場合にはこのまま突き詰めて行くのもアリだと思います。
(私はこのポジションを経験したことがありますがその時は50万ほどでした)
※テスト要件定義:様々なサービスを構築するにあたり、どういうテストが必要か、どういう動作が正解かなどを自身で定義し開発チーム全体を巻き込んで浸透させて品質を上げる力
(つまり、この人の言うことを聞いていればセーフティラインを守れるのだな、と言うような存在)
※チームリーディング:チームを率いていくリーダとしての力
スマホゲームのQA業務
諸々のキャリアプランはあるにせよ、まず全ての始まりはスマホゲームのQA業務ということになります。
行うことは基本的に以下となります。
- チェックリストに沿った実機での動作確認
- バグ(不具合)のレポート作成
- チェックリストの作成(※こちらは少し慣れてから)
この辺りがメインの業務となります。
はじめはベテランQAの方たちが作ったチェックリスト(エクセルやgoogleスプレッドシートが主です)を使って実機(スマホ)で動作のチェックをして行くことになります。
※チェックリスト:「ここを押すとこうなる事(そうなってなければ不具合)」のようなことが書いてあるものなので、未経験でもそれに沿ってやれば基本的に業務は行えます
何のチェックをするかというと大体が「これから新しく作るリリース前の機能のチェック」になります。
基本的にプランナーが仕様を作ってエンジニアが実装しQAがそれをテストするという流れになります。
(つまり一番最後に流れ着くのがQAなので、工程の最下流と言われています)
テストの過程で当然ながらバグ(不具合)は発生しますので、
バグの内容を細かくレポートにまとめてエンジニアに報告し、
バグが修正されたらそれをQAでまた確認するという形となります。
上記の流れで全てのテストを行なってバグも全てなくなった段階でテスト完了→リリースとなります。
(この一連のテストを数週~1ヶ月程度の単位で行うイメージです)
しばらくはこの流れを繰り返す事になると思いますが、
ある程度こなせるようになってきたら「テストを行うためのチェックリストの作成」を自身で行う事になります。
(基本的にプランナーが作った仕様書をもとに、書いてある事をチェックリストに起こしていく作業です)
作業の過程でプランナーやエンジニアと折衝することが多いので、今後を見据えて積極的にコミュニケーションをとっておく事をお勧めします。
(単に作業が円滑に進めやすくなるというのもありますが、コンバートのために色々アドバイスの話も期待できます)
ステップアップ先
ゲーム開発には、細かく分けるとかなり多くの職種が関わりを持っていますが、
ざっくり大枠で役割をまとめると以下のようになります。
プランナー:企画を練る/全体の取り仕切りや進行を管理する
デザイナー:企画の意図に沿ったデザインを作成する
ライター:企画の意図に沿ったストーリーなどの執筆をする
エンジニア:企画の意図/デザイン/ストーリーなどを加味してアプリに実装する
QA:上記でエンジニアが実装したアプリをテストする
ではこの中でどこにステップアップを狙って行くかですが、
本人の適正によるところもありますが、プランナーをお勧めします。
理由としては、
QA業務の延長線上で特別なスキルを必要せずにコンバート可能という点があります。
企画というと難しく聞こえるかもしれませんが、
新しいものを作る企画だけが仕事ではなく、今ある財産(機能)でゲームをどう回して行くのかという点も大事なので、
そういったあたりのアシスタント的な役割から入ってOJTで知識を身につけつつ徐々に役割を広げて行くという形になると思います。
(昨今、プランナーが不足している企業が多いので、将来性や市場価値という考え方でもお勧めです)
尚、
デザイナー/ライター/エンジニアについては別途スキルは必要になりますが、QAを続けながらスキルを身につけて行くという方向性も可能なので、技術を身に付けたい場合にはアドバイスを請う等で通常よりも早い習得が期待できます。
(スキルの習得にあたって、最前線で働いている人からのアドバイスほど役に立つものはないので絶好の場所です)
コンバートまでの期間ですが、
スキルセット的にプランナーが最も早く到達可能だと考えていて、
最速で半年 – 1年程度で可能だと思います。
それ以外の職種についてはまずスキルを身につける必要があることから、
1 – 2年程度と考えています。
いかがでしたでしょうか。
ステップアップに技術の向上はつきものです。
しかし技術の向上は時間がかかる上に、使える時間は有限です。
自分の目指す先が見える現場で仕事をするというのはステップアップまでの速度を加速させてくれます。
「自分一人だけで頑張る」よりも、「自分で考えながらも周りに相談できたり目標がいる状況」を作って先に進んでいくことが回り道を回避して最短時間でゴールに到達する方法だと思います。
意見の一つとして参考にしていただければ幸いです。