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著者:転すけ(元デバッグバイト / 現ITフリーランス) | プロフィール
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「観点を出して」と言われても、手が止まる。
画面を見ているのに、何を確認すればいいかが言語化できない。デバッグを始めて少し経つほど、こういう壁に当たりやすいです。
先に答えを言うと、レギュラー観点は4つに分けて考えるのが一番ラクです。
表示・動作・ロジック・条件の掛け合わせ。この4分類を“毎回の型”として持っておくと、観点が安定して増えます。
前提の基本だけ押さえたい場合、まずは↓こちら↓を読んだ後で本ページを読むのがオススメです。
→テスト観点の洗い出しの基本はこちら
この記事では、4分類をゲームデバッグの具体例に落として、コピペで使えるテンプレまで用意します。読み終えたら、そのまま自分の案件の画面に当てて使ってください。
レギュラー観点は4つに分けると漏れにくい
この見出しでわかること:レギュラー観点を4分類で捉え、何をどこまで見ればいいかの“枠”が作れます。
レギュラー観点は、ざっくり言うと「その機能で毎回必ず確認する基本の観点」です。
アプリでもゲームでも、画面が変わっても、最低限ここを押さえれば“穴が空きにくい”という土台になります。
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表示を確認する観点
表示観点は「見えるもの全部」が対象です。感覚で眺めるのではなく、次の切り口で機械的に拾うと漏れにくいです。
- 文言:表記ゆれ, 誤字, 言い回し, 敬体の揃い
- レイアウト:位置, 余白, はみ出し, 重なり, 折り返し
- 数値の見え方:桁区切り, 単位, 端数処理, 丸め
- 画像:欠け, ぼけ, 差し替え漏れ, 解像度違い
- 状態の表示:選択中, 未選択, 押下中, 読み込み中, エラー時
ポイントは「表示=UIの皮」だけで終わらせないことです。状態によって表示が変わる画面ほど、表示観点は増やせます。
動作を確認する観点
動作観点は「触ったらどうなるか」です。画面遷移だけでなく、反応の仕方まで含めます。
- 押せる/押せない:押下できる条件, できない条件
- 遷移:遷移先が正しいか, 戻る挙動, 二重遷移の有無
- 入力:入力できる文字, 上限, 禁止文字, コピー&ペースト
- レスポンス:反応の速度, 連打耐性, 通信中の操作可否
- 再現性:同じ操作で同じ結果になるか(ランダム要素は除く)
「ボタンを押したら次へ行く」だけだと観点が少なく見えます。
押下できる条件や、通信中・連打・戻るなどの“人がやりがちな操作”を入れると、動作観点は一気に増えます。
ロジックを確認する観点
ロジック観点は「結果が合っているか」です。見た目が正しくても、中身が間違っていることがあるので、ここが抜けると痛いです。
- 計算:加算・減算・倍率・端数処理・上限下限
- 付与/消費:アイテム, 通貨, チケット, スタミナの増減
- 判定:達成条件, 解放条件, 抽選条件, 優先順位
- 保存:再起動後の保持, 途中で落ちたときの整合性
- ログ:履歴, 表示される実績, 受け取り済みフラグ
ロジックは仕様書に書かれていることも多いですが、画面だけ見ていると抜けやすいです。
「この画面は何を増やす/減らす?」「何の条件判定がある?」と自問すると、観点が出しやすくなります。
条件を掛け合わせて確認する観点
掛け合わせは「同じ操作でも条件が違うと結果が変わる」部分を拾う観点です。
全部を網羅する必要はありません。バグが混ざりやすい掛け合わせだけを作ります。
よく使う条件の例はこちらです。
- ユーザー状態:新規/既存, チュートリアル中/後, 未課金/課金
- 所持状況:アイテムあり/なし, 上限付近, 受け取り済み
- 通信状態:良好/遅い/瞬断, 機内モード, 復帰
- 端末状態:低容量, バックグラウンド復帰, スリープ復帰
- 時間:日付跨ぎ, イベント開始直後/終了直前
掛け合わせのコツは「最も事故りそうな条件」を先に決めることです。
条件が無限に見えるときほど、“実害が大きい順”で作ると整理できます。
レギュラー観点が弱いとテスト漏れが起きる理由
この見出しでわかること:なぜ観点の弱さがテスト漏れに直結するか、現場で起きる形で理解できます。
観点が出ない状態は、頑張りが足りないというより「チェックの型がまだ手元にない」だけです。
型がないと、どうしても目に見える部分(表示や遷移)に寄って、ロジックや掛け合わせが抜けやすくなります。
デバッグの進め方そのものを整えたい場合は、手順の基本をこちらで確認できます。
→デバッグの進め方の基本
見た目は仕様通りに見えても内部的なバグも潜んでいる
たとえば、文言もレイアウトも合っていて、ボタンも押せる。
それでもバグが潜んでいる典型は、次のようなものです。
- 表示は正しいのに、内部の所持数だけ増減が間違っている
- 抽選結果の表示は合っているのに、履歴や受け取りフラグがズレている
- 成功メッセージは出るのに、再起動すると反映されていない
こういうバグは、表示・動作だけで終わると拾えません。
だからこそ、レギュラー観点の中にロジックと掛け合わせを“必ず入れる”のが効きます。
観点がないと人によって品質がブレる
観点が頭の中だけにあると、同じ画面を見ても人によって確認範囲が変わります。
結果として起きるのは、次の2つです。
- 同じ指摘が何度も出る(別の人が見落として再発する)
- レビューで説明が難しい(何を基準にOKと言ったか言語化できない)
4分類のテンプレを使うと、「表示・動作・ロジック・掛け合わせを一通り見た」と説明できるようになります。
この“説明できる”が、次の評価にも繋がりやすいです。
レギュラー観点の洗い出し手順
この見出しでわかること:4分類を使って、実際に観点を増やす手順がわかります。
ここからは、実務での手順に落とします。
細かい書き方は現場で多少変わりますが、流れはシンプルです。まずUIを出して、表示・動作を当てて、最後にロジックと掛け合わせを足します。
手順1 画面のUIを全部書き出す
最初にやるのは、観点づくりではなくUIの棚卸しです。
ボタン、テキスト、画像、タブ、リスト、ポップアップ、入力欄。画面に存在する要素を、上から順に書き出します。
コツは「見えるもの」を機械的に拾うことです。
ここで漏れると、後の観点も全部漏れます。
手順2 UIごとに表示観点を当てる
UIが並んだら、各UIに対して表示観点を当てます。
全UIに同じ観点を機械的に当てるだけでも、最低限の抜けが減ります。
- 文言は正しいか
- 桁・単位・表記は正しいか
- 収まりは崩れていないか
- 状態で表示が変わるなら、その差分は合っているか
「画面全体を眺める」より、「UI単位で当てる」ほうが漏れにくいです。
手順3 UIごとに動作観点を当てる
次に、同じUIに動作観点を当てます。
押下、長押し、連打、スクロール、入力、戻る。UIによって“触り方”が違うので、UIごとに作るのが早いです。
- 押下できる条件/できない条件
- 遷移先と戻り
- 通信中の挙動(連打や二重送信)
- 入力なら、上限・禁止・貼り付け
ここまでで、表示・動作のレギュラー観点は揃ってきます。
手順4 目に見えないロジック観点を足す
最後に、ロジック観点を足します。
考え方は「この画面は何を確定させる画面か」です。
- 何が増える/減るのか(通貨、アイテム、回数、ポイント)
- 何が判定されるのか(達成、抽選、解放、付与条件)
- 何が保存されるのか(履歴、フラグ、受け取り済み)
UIからは見えないので、ここは“画面の目的”から逆算すると作りやすいです。
手順5 条件の掛け合わせを作るコツ
掛け合わせは、全部を作ろうとすると破綻します。
実務では、次の順で絞ると回ります。
- 結果が変わる条件だけを拾う(結果が同じなら作らない)
- 事故の実害が大きい条件を優先する(課金、報酬、進行不可)
- 過去に壊れた条件を優先する(既知の地雷は強い)
掛け合わせは“最後のひと押し”です。
表示・動作・ロジックの土台ができてから作ると、意味のある条件だけが残ります。
コピペで使える レギュラー観点テンプレ
この見出しでわかること:レギュラー観点を表にして、毎回同じ型で埋められます。
テンプレは「画面 × UI」の粒度で作ると、現場で使いやすいです。
まずはこの形をコピペして、1画面だけでいいので埋めてみてください。
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観点テンプレ
そのまま貼って使える表テンプレは以下。
| 画面 | UI | 表示 | 動作 | ロジック | 条件の掛け合わせ | メモ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 文言/桁/収まり/状態表示 | 押下可否/遷移/連打/通信中 | 増減/判定/保存/履歴 | ユーザー状態/所持状況/通信/端末/時間 | |||
「どこから埋めればいいか迷う」ときは、UI要素を先に埋めてから、表示→動作→ロジック→掛け合わせの順で横に埋めるのが早いです。
そのままテストケースに落とすときの注意点
このテンプレは“観点の棚卸し”なので、ここからテストケースに落とすときは、次の点だけ意識すると事故が減ります。
- 1観点=1ケースにしない:まずは同じ前提条件のものをまとめる
- 期待結果を必ず言語化する:OKの条件が曖昧だとレビューで詰まる
- 条件の掛け合わせは優先順位をつける:全部やらず、実害が大きい順に並べる
テストケースの作り方や、テンプレから落とす具体手順は、こちらにまとまっています。
→テストケースの作り方とテンプレはこちら
具体例 ガチャ画面で観点を作る
この見出しでわかること:実際の画面を想定して、4分類で観点が増える感覚を掴めます。
ここでは例として、ガチャ画面を想定します。
「提供割合」「所持通貨」「10連ボタン」「確認ポップアップ」「結果演出」「履歴」といったよくある画面構成を例とします。
表示観点の例
ガチャ画面での表示観点を、具体的に列挙します。
- ガチャ名、開催期間、注意事項の文言が正しい
- 通貨の所持数の桁区切り・単位・上限表記が正しい
- 10連の価格表示が、1回価格×10と一致している
- 提供割合の表示が崩れていない(折り返し、スクロール、はみ出し)
- 確認ポップアップの文言が、実際に消費される通貨・回数と一致している
- 結果画面で、レア度表示やアイコン欠けがない
表示観点は「文言・桁・収まり・状態」を各箇所に漏れなくあてはめるだけで、かなりの要素が拾えます。
動作観点の例
ガチャ画面での動作観点を、具体的に列挙します。
- 1回/10連ボタンが、所持通貨不足で押せない(押せない表示も正しい)
- 連打しても二重購入にならない(通信中の入力制御)
- 確認ポップアップでキャンセルした場合、消費されない
- 結果演出中のスキップ操作の可否が仕様どおり
- 演出後に戻る/再抽選の導線が仕様どおり
- 通信エラー時にリトライでき、状態が壊れない
動作観点は「押下可否」「連打」「通信中」「戻る」の4点を入れると強くなります。
ロジック観点の例
ガチャ画面でのロジック観点を、具体的に列挙します。
- 抽選後、所持通貨が正しく減る(端数やチケット優先消費の仕様があれば確認)
- 付与されたアイテムが正しく所持に反映される(上限時の扱い含む)
- 履歴に正しく残る(時間、内容、回数)
- 初回無料や割引がある場合、適用条件と計算が正しい
- ボーナス付与(おまけ、天井カウント)がある場合、判定が正しい
- 再起動後も結果・所持・履歴の整合性が保たれる
見た目上は問題がないように見えても、実は表示と内部データでズレが生じているケースもあります。ユーザー影響が大きいので、ロジック観点は必ず入れます。
条件掛け合わせの例
掛け合わせは、実害が大きい順で作ります。
- 所持通貨:ちょうど足りる/1不足/上限付近
- ユーザー状態:初回無料対象/対象外
- 通信:抽選確定直前で瞬断→復帰(二重消費や二重付与の芽)
- 時間:終了直前に実行→終了跨ぎ(提供内容や表示の整合性)
- 所持上限:付与で上限超え(溢れ分の扱い)
ここまで作れれば、ガチャ画面のレギュラー観点はかなり堅くなります。
対象:デバッグ/QA 実務1年以上|まず条件・単価の相場を知りたい人
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漏れやすいポイントだけ先に潰す
この見出しでわかること:時間がない現場でも、致命傷になりやすい漏れを先回りできます。
観点を増やそうとしても、納期が近いと全部は見きれません。
そんなときは、バグが混ざりやすい“型”だけ先に潰すのが現実的です。ここではレギュラー観点の中でも、特に漏れやすいポイントに絞ります。
文言と桁と収まり
表示で一番多いのは、次の3つです。
- 文言:誤字、表記ゆれ、句読点、機種依存文字
- 桁:単位、端数処理、桁区切り、上限表記
- 収まり:折り返し、はみ出し、重なり、極端に長い名前
確認のコツは「長い文言」「大きい数字」「最小画面」を意識して当てることです。
普段の条件だけ見ていると、ここは抜けます。
活性非活性と遷移先の分岐
ボタン等の動作で漏れやすいのは、「押せる前提」でテストしてしまうことです。
「押せない状態」があることも観点にしないとバグの取りこぼしが起きやすいです。
- 条件未達でボタンが押せない(表示と理由が正しいか)
- 押せないはずなのに押せる(誤って進める)
- 同じボタンでも条件で遷移先が分岐する(Aなら詳細、Bなら購入など)
- 戻るで前の画面に戻ったとき、状態が保持される/されないの仕様
遷移は「行けたか」より、「どの条件でどこへ行くか」を観点にすると強くなります。
時限とマスタと例外パターン
ゲームや運用アプリは、時間とデータ更新で壊れやすいです。
次の3つは、掛け合わせの代表として入れておくと効きます。
- 時限:日付跨ぎ、開始直後、終了直前、メンテ前後
- マスタ:文言や報酬の差し替え、提供割合の更新、対象フラグの変更
- 例外:所持上限、在庫なし、対象外、すでに受け取り済み
よくある質問として、「毎回ここまで見るべき?」と迷います。
答えはシンプルで、“毎回全部”ではありません。実害が大きい画面(課金、報酬、進行)ほど、時限・マスタ・例外を優先して入れるのが安全です。
次に覚えるべき観点はイレギュラー観点
この見出しでわかること:レギュラー観点を固めた次に、何を伸ばせばいいかがわかります。
レギュラー観点が安定してくると、次に壁になるのは「想定外の動き」です。
ここから先は、日常の操作だけでは拾えないバグ(例外操作、変則手順、想定外入力など)を扱います。
イレギュラー観点に進む前に押さえること
イレギュラー観点に進む前の準備として、まずは次を確認してください。
- 4分類(表示・動作・ロジック・掛け合わせ)で、毎回観点が出せる
- テンプレが手元にあり、画面ごとに埋められる
- 掛け合わせを“実害が大きい順”で絞れる
この3つが揃っていると、イレギュラー観点が単なる思いつきではなく、再現性のある武器になります。
次はイレギュラー観点を確認する
次のステップは、こちらで確認できます。
→次はイレギュラー観点を確認する
デバッグ経験を年収アップにつなげる
観点を作れるようになると、作業スピードが上がるだけでは終わりません。
「漏れにくい」「説明できる」「再現性がある」という形で、周りから見える成果になります。
この記事の内容を、年収アップの道筋に繋げて整理したいなら、最初にこちらを読むのが早いです。
→デバッグ経験1年から年収500万を狙うロードマップ
観点が作れると評価されやすい理由
現場で評価されやすいのは、次の動きができる人です。
- 「何を見たか」を言語化して共有できる
- レビューで突っ込まれても、基準を説明できる
- 属人化せず、テンプレで再現できる
- 掛け合わせを絞って、優先順位をつけられる
観点が作れる状態は、単にチェック項目が多い人ではなく、「品質を設計できる人」に近づきます。
だから、同じ年数でも評価が分かれやすいです。
年収400〜500万円を狙うロードマップへ
次の行動を具体化したい場合は、ロードマップを先に見ておくと迷いが減ります。
→デバッグ経験1年から年収500万を狙うロードマップ
一つの現場で頑張っている人ほど、「作業は増えるのに評価が伸びない」状態になりがちです。
「評価される型」を身につけ、努力が報われる働き方へシフトしましょう。
対象:デバッグ/QA 実務1年以上|案件を比較して単価・条件を上げたい人
※無料相談/オンラインOK(条件面の相談は面談で確認)
対象:厳しい基準で「ホワイト企業」を厳選。未経験OKの優良求人だけを紹介
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