以前こちらの記事でテスト観点の洗い出し方③_イレギュラー観点編のお話をさせていただきました。
テスト観点について、
今回は「機種別/OS別観点」についてお話をさせていただきます。
①テスト観点の種類概要
②機種別/OS別観点とは
- 機種別/OS別観点の概要
- 表示確認について
- 動作確認について
- 処理(ロジック)確認について
テスト観点の種類
テスト観点とはどういったものがあるのか、その大枠は以下になります。
・レギュラー観点
基本的な表示/動作を確認する観点
・イレギュラー観点
ユーザーが行う操作の中で、連打のような負荷をかける操作や、移動中に遭遇する通信環境の弱い状況など、
イレギュラーな操作や環境下を想定した観点
・機種別/OS別観点
使用する機種やOSによって表示/動作に差異がないかを確認する観点
・互換性観点
主にスマホゲームやオンラインゲーム等の「アップデートを前提としたサービス」において、
旧verと新verの互換性を確認する観点
今回はこの中で機種別/OS別観点について掘り下げていきます。
(以降はスマホゲームのデバッグなどを例に記述していきます)
機種別/OS別観点とは
機種別/OS別観点の概要
前述までのレギュラー観点やイレギュラー観点について、
機種やOSによっては挙動が異なる場合や正常な表示や動作とならない場合があります。
その点について考慮するため、スマホゲームのデバッグを行うような場合、
以下のように様々な機種を用いてテストを行う必要があります。
・Android & iOS
・機種(Androidの中でスペック別で複数端末 / iOSの中でスペック別で複数端末というイメージ)
・画面サイズ
・OSver
チェックリストでテストを進めるにあたり、
全ての項目でこの観点を考慮することは難しいですが、
基本的に表示/動作確認をする際には任意のAndroid&iOSを1つづつ使用し、
両OSで確認することが望ましいでしょう。
上記4つの機種別/OS別観点確認が必要となるポイントや確認粒度について、
以降で説明していきます。
表示確認について
機種別/OS別観点において、
最も影響を受けやすい観点が「UI周り」です。
よくあるケースとして以下のような不具合があります。
・タブレット機種の場合にボタンなどのUIが想定外の場所に表示されてしまう
・特定のOSverで文字などが崩れて表示されてしまう
上記のようなケースをテストで拾う必要がある訳ですが、
先述でも記載の通り、全てのチェックに機種別/OS別観点を考慮するのは難しいため、
以下のような場合に重点的にテストを行います。
新規実装する画面など、新しいUIの追加がある場合に、
表示周りの確認は機種別/OS別観点を考慮して確認。
とし、画面全体の表示を様々な機種でザッと確認するようにしましょう。
あくまで、この観点での確認はザッと表示を確認するのみに留めて、
深いチェックは任意のAndroid&iOSを1つづつで問題ありません。
(工数の都合上、全てのテスト項目に大量の機種でチェックを行うことは逼迫を生み、現実的ではないため)
動作確認について
「動作」は「表示」に次いで影響を受ける可能性がある部分です。
表示確認同様ですが、機種別/OS別観点で動作を広く深くチェックすることは工数的に現実的ではない為、
ザッと軽く見るようなレベル感での実施が主になります。
以下のような場合に機種別/OS別観点で動作チェックを行います。
・大型の新機能が搭載される場合
深くチェックする必要はないが、ザッと通しで動作しているかどうかを要確認
・アプリの根幹部(Unityアップデート等)に関わる開発をする場合
動作対象Osの下限ver~最新verを網羅的に要確認
・上記に伴うようなケースで、動作対象端末の変更(引き上げ等)がある場合
ボーダーラインとなるスペック複数端末で要確認
・apple/googleなどのレギュレーションが変更され、対応が必要となる場合
レギュレーション対応した上で各種端末で動作に問題がないか要確認
・新規格の端末や新しいOSverがリリースされることに伴い、対応が必要となる場合
該当の新端末や新OSverで動作に問題がないか要確認
上記の考え方がベースとなります。
基本的な動作や深いチェックについては表示確認同様、
任意のAndroid&iOSを1つづつで問題ありません
処理(ロジック)確認について
レギュラー観点では考慮していた点ですが、
この点が機種やOSによって影響を受けるケースはほぼ考えられない(影響を受けるのは内部的なロジックなどではなく目に見える部分が主)ため、
この観点は基本的に除いて(割愛して)問題ありません。
今回は機種別/OS別観点を掘り下げてお話させていただきました。
次の記事ではver互換性観点についてお話させていただきます。