チェックリストの作り方

テスト観点の洗い出し入門 初心者でも迷わない考え方と整理手順

テスト観点の洗い出し入門(初心者向けの考え方と3ステップ)

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著者:転すけ(元デバッグバイト / 現ITフリーランス) | プロフィール
紹介サービスは編集方針に基づき、読者の参考になる観点で選定しています。

チェックリスト作成の途中で手が止まるとき、原因は「何を確かめるか(=観点)が言葉になっていない」ことが多いです。
テンプレを開いても、結局どこから埋めればいいか迷ってしまいます。

このページでは、テスト観点が分からない人でも迷わないように、
「何をどう考えるか=テスト観点の導入」と言う考え方の部分のみについて先に腹落ちさせます。

尚、チェックリスト(テストケース)の列設計や手順はテスト観点を理解した後の次フェーズとなるため、この記事では詳細は要点だけに絞り、必要な人は次の記事で確認できる流れにします。

最初に、この記事で使う用語の認識をそろえます
(現場によって言い方が変わることもあるので、この記事では定義を固定します)。

テスト観点:不具合を見つけるための「確認の切り口」

テストケース/チェックリスト:観点を細分化して、テストできるようにまとめたもの(一覧でも、手順+期待結果まで書いた形でもOK)

目次
  1. 先に結論 テスト観点は不具合を見つける切り口で最初に大枠を決める
  2. テスト観点が分からないとチェックリスト作成が止まる理由
  3. テスト観点とテストケースとチェックリストの違いが分かる全体像
  4. 初心者でもできるテスト観点の洗い出し 3ステップ
  5. まず覚えるべきテスト観点の種類は4つ
  6. よくあるつまずきと直し方
  7. 次に読むと理解が深まる記事
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ

先に結論 テスト観点は不具合を見つける切り口で最初に大枠を決める

この見出しでわかること:観点の役割と、今日やるべき最小セットが分かります。

テスト観点は、いきなり完璧に埋めるものではありません。最初に大枠を決めて、抜けを減らし、優先度をつけていくための「地図」です。地図があると、テストケース(チェックリスト)も作りやすくなり、実施中に迷いにくくなります。

今日やることは3つだけ

今日のゴールは「観点が書けない」を脱出することです。やることは3つに絞ります。

  • テスト対象の目的と利用シーンを一言で決める
  • 機能×条件×期待結果で観点メモを作る
  • 優先度を付けて、テストケース(チェックリスト)に落とす準備をする

ここまでできると、空欄があっても怖くなくなります。空欄は「まだ決めていないだけ」と整理できるからです。

迷ったらユーザー視点を戻り先にする

観点が増えすぎたり、何を書けばいいか分からなくなったら、いったんユーザー視点に戻ります。

  • ユーザーは何をしたくてこの機能を触るのか
  • 失敗したら何が困るのか(課金、データ消失、進行不能など)
  • どの瞬間に不満が出やすいか(待ち時間、反応、表示崩れ)

「ユーザーが困るポイント」を軸にすると、観点の優先度も自然に決まりやすいです。

テスト観点が分からないとチェックリスト作成が止まる理由

この見出しでわかること:なぜテンプレがあっても止まるのか、原因が言語化できます。

テンプレを開いて固まるのは、能力不足ではありません。材料(観点)がない状態で、形(テストケース/チェックリスト)だけ作ろうとしているからです。

観点がないと何を確かめるかが決まらない

テストケース(チェックリスト)は「テストできる形」にまとめたものです。確認する内容が決まっていないと、当然書けません。

よくある詰まり方はこの2つです。

  • 仕様書を読んでも「どこが危ないか」が分からない
  • 思いつきはあるのに、整理できず抜けが怖い

ここで必要なのがテスト観点です。観点があると、「何を確認するか」→「どんな条件でやるか」→「正しい結果は何か」が一本道になります。

仕様通りだけでは不具合ゼロにならない

仕様通りに動くか(いわゆる正常系)だけ見ていると、想定外の操作や環境差で落ちる不具合を取り逃しやすいです。ゲームやアプリは、端末・OS・回線・通知・バックグラウンドなど、ユーザー側の条件がバラバラだからです。

観点は「仕様を守るため」だけではなく、現場で起きがちな事故を先回りして潰すためにあります。

テスト観点とテストケースとチェックリストの違いが分かる全体像

この見出しでわかること:観点→テストケース(チェックリスト)に落とす流れが整理できます。

テスト観点の洗い出しからチェックリスト作成、テスト実施、見直しまでの流れ図

テスト観点は計画でチェックリストは実行という考え方

この記事では 「テストケース=チェックリスト」 として扱います。どちらも、観点を細分化してテストできるようにまとめたもの、という立ち位置です。

そのうえで、役割の違いはこう整理すると分かりやすいです。

  • テスト観点:確認の切り口(何を疑うか、どこが壊れやすいかを決める)
  • テストケース/チェックリスト:観点をテストできる形にする(実施で迷わないようにまとめる)

テストケース/チェックリストは、現場によって粒度が違います。
「一覧だけで回す」こともあれば、「手順と期待結果まで書き切る」こともあります。初心者のうちは、まず“迷わず実施できる形”になっていればOKです。

観点メモからチェックリストに落とす流れ

初心者がつまずきにくい流れはこれです。

  • 観点をメモにする(機能×条件×期待結果)
  • 優先度を付ける(重要なものから)
  • 優先度が高いものから、テストケース(チェックリスト)に落とす

この順番にすると、作業が「埋める」から「判断する」に変わります。抜けの不安も減ります。

チェックリストのテンプレと作成手順はこちら

チェックリスト(テストケース)を、どんな列でどう運用するかは現場でルールが分かれます。ここでは全体像だけ押さえ、テンプレと作成手順の詳細は次の記事で確認できます。

チェックリストのテンプレと作成手順はこちら

初心者でもできるテスト観点の洗い出し 3ステップ

この見出しでわかること:今日から使える、観点の出し方と整理の型が分かります。

ここからは「何をどう考えるか」を手順に落とします。難しいテクニックより、迷わない型を優先します。

ステップ1 テスト対象の目的と主要な利用シーンを一言で置く

最初に「この機能は何のため?」を一言で置きます。これが戻り先になります。

考え方だけ示します。

  • 目的:ユーザーが○○できるようにする
  • 主なシーン:起動直後/プレイ中/決済直前/通信切替時 など

ここが曖昧なままだと観点が増え続けます。「結局何を守りたいのか」が決まらないからです。

ステップ2 機能と条件と期待結果で観点を箇条書きにする

次に、観点を「機能×条件×期待結果」で箇条書きにします。テストケース(チェックリスト)の前に、いったんメモで十分です。

  • 機能:どの画面・ボタン・処理か
  • 条件:いつ/どんな状態で/どんな操作をするか
  • 期待結果:何が正しい状態か(表示、遷移、保存、反映、エラー表示など)

ポイントは「条件」を広げすぎないことです。最初は“よく使われる条件”だけでOK。あとから増やせます。

ステップ3 優先度を付けてチェックリストに落とす準備をする

観点を出したら、優先度を付けます。全部同じ重さにすると、作業量が爆発して破綻します。

優先度の目安は次の3つです。

  • 失敗するとユーザーが困る(進行不能、課金、データ消失)
  • 変更が入った直後で壊れやすい
  • 端末・回線など外部要因の影響を受けやすい

優先度がついた観点メモは、そのままテストケース(チェックリスト)の素材になります。

観点メモのテンプレ(コピペOK)

ここでは“最小テンプレ”に絞ります。
(具体例については後半の関連記事でご紹介します)。

観点メモのテンプレート表(機能・条件・期待結果・優先度・メモ)

機能|条件|期待結果|優先度|メモ

メモ欄は「仕様が曖昧」「確認が必要」「再現条件が不明」など、作業中に出た疑問を残す場所にすると便利です。

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まず覚えるべきテスト観点の種類は4つ

この見出しでわかること:観点を分類できて、漏れの不安が減ります。

観点が出せないときは、切り口が散らかっていることが多いです。初心者のうちは、まずこの4分類で“棚”を作るのが近道です。

テスト観点の種類(レギュラー、イレギュラー、機種別とOS別、互換性)の一覧

レギュラー観点は基本の表示と動作を押さえる

レギュラーは、いわゆる基本の動作確認です。

  • 画面が表示される
  • 操作に対して意図した遷移・処理になる
  • 入力が想定どおり反映される

ここが崩れるとユーザーがすぐ困るので、優先度が上がりやすい分類です。具体例は別記事でまとめています。
レギュラー観点の具体例はこちら

イレギュラー観点は想定外の操作と環境を押さえる

イレギュラーは、「普通はしないけど現実には起きる」側です。

  • 連打・連続操作
  • 途中で戻る/キャンセルする
  • 通信が不安定、割り込みが入る

全部を網羅しようとすると沼に入るので、最初は“事故りやすいところ”に絞るのがコツです。具体例は次の記事で確認できます。
イレギュラー観点の具体例はこちら

機種別とOS別観点は差が出やすい所に絞る

端末やOS差は、全部の組み合わせを見るのが現実的ではありません。

  • 影響が出やすい画面(重い、複雑、外部連携がある)
  • 変更が入った箇所(新機能、UI変更)
  • 既知の相性問題がある箇所

“差が出そうな場所だけ”に観点を置くと、工数と品質のバランスが取りやすいです。考え方は別記事で整理しています。
機種別とOS別観点の考え方はこちら

互換性観点はアップデート前後の不安を潰す

互換性は「前はできたのに、今できない」を防ぐ観点です。

  • アプリ更新前後で、同じ操作が成立するか
  • データ引き継ぎや設定が壊れないか
  • 既存ユーザーが困る変更になっていないか

不具合のダメージが大きくなりやすいので、リリース前後やイベント前は特に意識しておくと安心です。

よくあるつまずきと直し方

この見出しでわかること:観点が出ない・多すぎる・仕様が曖昧、の対処が分かります。

観点は最初から完璧に揃いません。詰まったときの“直し方”を持っておくと、作業が進みます。

観点が増えすぎるときは目的と優先度で絞る

観点が増え続けるのは、気づきが増えている状態でもあります。問題は「全部やろうとして破綻する」ことです。

絞るときはこの順番が効きます。

  • 目的に関係あるか(ユーザーの主要シーンか)
  • 失敗時の影響が大きいか
  • 変更が入った箇所か

「優先度:高だけ先にテストケース(チェックリスト)化」→「残りは時間があれば」に分けるだけで、現実的な計画になります。

仕様が曖昧なときは確認事項を観点メモに残す

仕様が曖昧なままテストケース(チェックリスト)を作ると、あとで手戻りします。迷ったら、決め打ちで書くより「確認が必要」をメモに残します。

  • 期待結果が確定していない
  • エラー時の表示や文言が未確定
  • 例外ケースの扱いが決まっていない

こういう“曖昧さ”を可視化できるだけでも、レビューが通りやすくなります。観点メモは作業記録としても価値があります。

次に読むと理解が深まる記事

観点の考え方が分かったら、次は「形にする」→「具体例で補強する」の順で進めるのがスムーズです。

チェックリストのテンプレと作成手順(内部リンク①)

観点メモを、テストケース(チェックリスト)として運用しやすい形にまとめるテンプレと手順を確認できます。
チェックリストのテンプレと作成手順はこちら

レギュラー観点を具体例で理解する(内部リンク②)

基本の押さえどころを具体例で確認すると、観点の粒度が揃いやすくなります。
レギュラー観点の具体例はこちら

デバッグ経験を年収アップに変えるロードマップ(内部リンク⑤)

観点整理やテストケース(チェックリスト)作成ができるようになると、現場での評価が上がりやすいです。次のキャリアまで見据えるなら、ロードマップも先に押さえておくと迷いが減ります。
デバッグ経験を年収アップに変えるロードマップはこちら

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よくある質問(FAQ)

この見出しでわかること:用語のモヤモヤと、漏れが怖い不安に答えます。

テスト観点とテスト項目は同じ意味ですか

同じように扱われることもありますが、この記事の整理ではこうです。

  • テスト観点:切り口(何を疑うか、どこを重点的に見るか)
  • テスト項目:テストケース(チェックリスト)として「テストできる形」にした確認内容

言葉が混ざる現場ほど、まずは「これは切り口の話? それとも実施できる形の話?」で分けるとズレにくいです。

新人でも観点の漏れを減らすコツはありますか

いきなり“漏れゼロ”を目指すより、漏れが減る仕組みに寄せるのが現実的です。

  • 4分類(レギュラー/イレギュラー/機種別とOS別/互換性)で棚を作る
  • 目的と主要シーンを先に決めて、戻り先を固定する
  • 観点メモに「確認が必要」を残して、曖昧さを放置しない

この3つだけでも、作るたびに精度が上がっていきます。

まとめ

テスト観点は、不具合を見つけるための「確認の切り口」です。観点が決まると、テストケース(チェックリスト)作成もテスト実施も迷いが減ります。

この記事では3つに絞ってお話をさせていただきました。

  • 目的と主要シーンを一言で置く
  • 機能×条件×期待結果で観点メモを作る
  • 優先度を付けて、テストケース(チェックリスト)に落とす準備をする

次は、観点メモをテストケース(チェックリスト)に落としこむ手順を確認しつつ、
「レギュラー観点」の具体例のお話を以下の記事でご紹介させていただきます。
レギュラー観点の具体例はこちら

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